使い捨てコンタクトの使用方法
使い捨てコンタクトの使用方法とケアの仕方
コンタクトレンズを使う前の準備
- 使い捨てコンタクトは柔らかいヘマという涙液や酸素を透過する素材でできています。柔らかくで弾力はありますが鋭い爪でひっかくと破れたり傷がついてしまうことがあります。当然、破れたり傷のついたレンズは使えませんので新しいコンタクトに交換しなければなりません。また長い爪は大切な瞳を傷つけてしまうこともあります。
- コンタクトレンズを扱う前に石鹸で手を洗わないと、ケアをした後のレンズの30%から細菌が検出されたという国民生活センターのデーターもあります。 いくらしっかり使い捨てコンタクトを丁寧にケアしても、手が汚れていたのでは汚れた手から細菌がレンズに移動してしまいます。くれぐれも手洗いはしっかりやりましょう。
使い捨てコンタクトの表と裏の確認
- 人差し指の上にレンズをのせてみましょう。 正しい状態でオモテならお椀のような形になります。 反対にレンズが裏がっていると人差し指の上にのせた時、レンズのフチが尖がって昔あった洗面器のような形になります。※レンズを裏返っていれてもほとんど痛みや目をキズつけることはありません。また見え方もすごく見えにくいというほどではありません。よって裏返っていれても気がつかない人も多いです。 ただ、やはりいくらか装用感は悪いですし、いくらか見え方も悪くなります。また目のカーブと合わないので外れて落ちてしまうこともありますよ。入れる前によく確認しましょう。
使い捨てコンタクトの入れ方
- この時、手と指の水分をふき取っておくとレンズが指の上できれいな形でのっかりますので入れやすいですよ。 ※手や指が濡れているとレンズは手や指にくっついてしまい目に入りにくくなります。 使い捨てコンタクトを扱う前には必ず爪を短く切りましょう。
- 同じ手の中指で下まぶたのまつ毛の生え際を下に引き下げます。反対の手の人差し指で上輪まぶたを引き上げます。 ※まぶたを引き下げるのも引き上げるのも目を大きく開けてレンズを目に入れやすくするためです。まつ毛の生え際を押さえると大きく目を開くことができますよ。
- レンズを黒目にのせる時は、力をいれたり押し付けたりしてはいけません。レンズが黒目にのっかって落ちない理由は涙の表面張力でくっつくからです。英語ではplace(位置させる)といって、目に入れるのではなく、置きなさいというふうに指導します。
- 急に指をはなしたりすると、まぶたが急にもどりその勢いでレンズが飛び出たりするので、ゆっくり指を離しましょう。
- コンタクトレンズは瞳の真ん中でに位置するはずです。 多少真中からずれていても瞬きすることで中心に来るはずです。
コンタクトを入れる時のポイント
- 手や指がぬれていると、レンズが指にはりついてしまい目に入れられません。手や指の水分はタオルでよくふき取っておきましょう。
- まぶたを引き下げたり、引き上げたりする時は、まつ毛のはえ際を押さえると、目を大きく開くことができます。
- レンズをつけた後、ゴロゴロした痛みを感じるときは、レンズをはすし再度すすぎ洗いをしてから、もう一度つけ直してください。
- お化粧は、レンズを装用した後にしましょう。
使い捨てコンタクトの外し方
- 鏡でコンタクトの位置を確認します。
- 右手の中指で下まぶた引き下げます。 左手の人差し指で上まぶたを引き上げます。 コンタクトレンズを扱う前には必ず爪を短く切りましょう。
- 目が大きく開けたら 利き手の人差でレンズを下の白目へ引き下げます。 ※白目は強靭では傷つきにくいので、白目に引き下げて取り出せば安心です。
- 引き下げコンタクトレンズを白目の上で、人差し指と親指でレンズをつまんで取り出します。 初めから人差し指と親指でV字を作っておくとレンズを取りやすいですよ。
レンズをはずす時のポイント
- レンズをはすす時は、必ず黒眼より下方の白眼へすらし、白眼の位置で取り出します。
- 眼を傷つけないため、爪を立てたり、指が直接 眼に触れないように注意してください。
使い捨てコンタクトの装用時間
装用時間は徐々に慣らしながら使用時間を延ばしていきます。
1日目は4~6時間 2日目は6~8時間 3日目は8~10時間 というように1日2時間ずつ徐々に使用時間を増やしていきます。 下記のスケジュールを参考に、ゆっきり慣らしていきましょう。ただし下記のスケジュール表は参考で目の敏感な方や乾きやすい方はこの通りにならないこともありますから、無理をせずにゆっくり慣らしていきましょう。
使い捨てコンタクトの最長装用時間は14~16時間以内
使用時間の最長時間は人それぞれです。ただコンタクトレンズを入れることにより角膜へ供給される酸素の透過性や涙液の透過が少なくなるので14時間以内がいいといわれています。
- 朝起きてすぐはまだ涙液があまり出ていません。 3O分以上たってから、コンタクトレンズを入れるようにしたいですね。
- 眠る1時間くらい前にはコンタクトレンズをはずし目に涙液がいきわったてから寝るようにしましょう。 レンズつけている時は角膜は酸素不足や涙不足の状態です。
- コンタクトをつけたまま眠ることはできません。 必ず眠る前にはずしましょう。眠っている間は酸素や涙は、ほとんど出ない酸素不足状態なのでレンズを入れたまま寝られないのです。
装用を一時中止していて再度装用する場合
使用時間の最長時間は人それぞれです。コンタクトレンズを入れることにより角膜への酸素の透過性や涙液の透過が少なくなるので14時間以内がいいといわれています。
使い捨てコンタクトの使用期間
使い捨てコンタクトはそれぞれのレンズによって使える期間が異なります。
- ワンデー
- 毎日、新しいレンズと交換します。一度はずしたレンズは再使用できません。当然ケアは一切しません。
- 2ウィーク
- 2週間ごとに新しいレンズに交換します。レンズは毎日はずした後に洗浄・消毒・保存します。 (実際に使用した日数ではなく、ブリスターパックから開封した日から14日目まで。
- 1ヵ月間コンタクト
- 1ヵ月ごとに新しいレンズに交換します。レンズは毎日はずした後に洗浄・消毒・保存します。 (実際に使用した日数ではなく、ブリスターパックから開封した日から30日目まで。)
- 1年カラコン
- 1年タイプのコンタクトは完全に1年間使えるということではありません。人によって個人差があり涙が少ない人や涙液に分泌物が多い人はもっと短くなります。お手入れの仕方でも使える期間が違ってきます。
コンタクトの使用期限(EXP)について
コンタクトの箱やレンズの入っている瓶やブリスターパックのラベルにEXPというアルファベットとともに2016/07のように年月が記載されています。これがこのカラコンの使用期限です。これまでの間に瓶やブリスターから出してもらえば大丈夫という意味です。これから使用期限1年のレンズであればこれから封を開けて1年使えるという意味です。 使用期限と使用期間は意味が違いますから、お間違えのないように注意してください。
使い捨てコンタクトのケアの仕方 洗浄・消毒・保存・すすぎ
使い捨てレンズのケアにはマルチ パーパス ソリューションが向いています。
- マルチパーパスソリューションとは
- 洗浄・すすぎ・消毒(保存)さらにタンパク除去まで1本で出来るとっても便利なケア用品です。 こすり洗いした後、レンズケースの中で4時間以上保存しておくだけで消毒が完了します。 消毒後のレンズは、レンズケースから取り出してそのまま装用できます。
- マルチパーパスソリューションの商品
- マルチパーパスソリューションの商品は数社から販売されています。 有名なところでは オフテクスのバイオクレンワン オプティーフリープラス レニューフレッシュ コンプリートプロテクト等です。
- 使い捨てコンタクトを扱う前には必ず手を石けんでよく洗いましょう。
- レンズを手の平の上にのせ、マルチパーパスソリューションを数滴たらします。
- レンズの片面を手の平と人差し指の間で20~30回ほどこすり洗いします。 裏面も同じように手の平と人差し指の間で20~30回ほどこすり洗いします。 ※レンズをこすり洗いする時は円を描くような洗い方は、レンズの破損の原因になりますので、行わないでください。必ず前後方向に真っすぐ指を動かしましょう。 ※こすり洗いの重要性 マルチパーパスソリューションにレンズをつけておくだけで、こすり洗いをしない方が時々います。必ずこすり洗いしてください。こすることによってしつこい汚れや雑菌を除去できるのです。特に最近はアカントアメーバ角膜炎が報告されています。アカンアメーバはこすり洗いすればかなりの確率で除去できるのです。
- レンズの両面をマルチパーパスソリューションですすぎ、表面の残留物を充分に取り除きます。
- マルチパーパスソリューションレンズケースにいっぱいまで入れます。 レンズを入れ、キャップをしっかりしめて4時間以上放置します。(この間に消毒が完了します)
- 消毒後、レンズケースから取り出したレンズはそのまま装用できます。 ※消毒後のレンズはそのまま装用することができますが、マルチパーパスソリューションでレンズを装用直前にすすぐことで、より清潔にお使いいただけます。
1年使用など長期使用タイプのコンタクトはタンパク質除去酵素剤も使いましょう。
1年使用タイプなど長期間使用のカラコンは上記のケアのマルチパーパスソリューションのみのケアでは汚れが完全に除去されないでレンズに汚れがこびりついてしまうことがあります。これは涙の中のたんぱく質や脂質がレンズに長期間の使用で蓄積してこびりついてしまうためです。 長期間タイプのカラコンを使われる場合はマルチパーパスソリューションのケアとともにタンパク除去剤(タンパク分解酵素剤)での定期的なお手入れすることをお勧めします。タンパク除去酵素クリーナーがありませので、これを2週間ごとくらいにするとたんぱく質や脂質がレンズに蓄積されず良い状態で長く使えるようです。
過酸化水素系とヨウ素系のケア用品について
過酸化水素は消毒力が大変強く、マルチパーパスソリューションのようにこすり洗いは必要がなし。 完全につけ置きのケア用品です。 ただし、過酸化水素は漂白作用があるのでカラコンの色が落ちてしまうのでカラコン向きではありません。
ヨウ素系のケア用品はポピドンヨウ素というヨウ素でうがい薬や外科手術にも使われています。 消毒効果が高くアカントアメーバーも5分間で消毒します。 ただ、ヨウ素系のケアは赤い色なのでカラコンに色がつく可能性があるのであまりお勧めではありません。
カラコンを快適に使うための注意点
- コンタクトレンズをつけたまま眠ることはできません。仮眠・睡眠をとる場合は、必ずレンズをはずしてください。 眠っている間は、涙がほとんど分泌されず、角膜は酸素不足の状態にあります。 万一、レンズをつけたまま眠ってしまった時は、良くまばたきを繰り返したり、人工涙液かコンタクトレンズ専用目薬を点眼したりして、目が涙で潤い、レンズがよく動くのを確認してから、ゆっくりはすして下さい。
- 帰宅後はカラコンをはすし、眼を休ませて下さい。(昼はコンタクト、夜はメガネが理想です。)
- カラコンは決められた使用期間を超えて使うことはできません。 決められた期間が来たら新しいレンズに交換してください。また、この決められた使用期間は実際に使用した日数ではなく、ブリスターパックから開封した日から決められた日数までです。
- 使い捨てコンタクトはソフトコンタクトレンズになります。ケア用品は使い捨てコンタクトのものかソフトコンタクト専用のケア用品をお使いください。ハードコンタクト用のケア用品は使えません。 レンズ装用中は目薬を使用しないで下さい。ただ目が乾くなどの時には潤い感を与えるソフトコンタクト専用の目薬なら大丈夫です。
- 使い捨てコンタクトのケースは定期的に交換しましょう。レンズケース自体に雑菌が繁殖していてレンズに付着したりそれが目の炎症につながることがあります。レンズケースは交換するものです。
- 血が多い、霧・煙の中にいる感じがする、電球に虹が見える。このような時はすぐレンズをはずして下さい。装用オーバーのサインです。
- まばたきが少ないと、レンズの表面が乾燥し白くボケることがあります。意識的にまばたきを多めにして下さい。 血・痛み・眼ヤニが多い・視力不安定などの異常がありましたら、レンズの装用を中止し、必ずご相談下さい。 顔・入浴・シャワー・水泳の時は眼をしっかり閉じ、流さないように注意して下さい。水の中で眼を開くと流れ出てしまいますので注意して下さい。
- 目に強い風があたる場合(オートバイや自転車に乗る時、スキーの時、風の強い時など)にはサングラスやゴーグルなど風よけになるものを使用して下さい。
- レンズの左右を間違えないためにいつも決まった側(右または左)から取扱って下さい。
- レンズを長期にわたり保存する場合は、きれいに洗浄し保存液中に保存して下さい。汚れが付着したまま不衛生な状態での保存は絶対しないで下さい。不適切な保存により汚染されたレンズを装用すると眼に障害が起こる可能性があります。またレンズの装用を再開する場合には必ず眼科医の診察を受けて下さい。
- 海外旅行へ行く時には、コンタクトレンズのケア用品は国によって販売されている商品が異なります。現在お使いのケア用品を日本から持参して下さい。破損・紛失などを心配される場合は、スペアレンズの用意など事前にご相談下さい。